ソフトウェア開発関連 景況感(決算発表日が7月末迄の企業)
ソフトウェアデバック関連のデジタルハーツHD、バルテスの決算持ち越しするにあたり、ソフトウェア受託開発の決算をある程度洗い出ししました。
並び順は前期の通期売上似て降順。
直近の決算での4半期の3ヶ月業績を集計しています。
3月期決算の会社が多く、1Qと同時に今期通期予想を発表した会社も多かったので、右に付け足してまとめました。
時価総額は7月31日の終値で、単位は億円です。他項目の単位は百万円となります。
決算日 |
銘柄名 |
時価総(億) |
前通期売上 |
対象の四半期 |
四半期売上高 |
前年同期比 |
四半期営利 |
前年同期比 |
営利率 |
本通期売上予 |
前年比 |
本通期営利予 |
前年比 |
|
7/29 |
4307 |
17,788 |
528,873 |
21年3月期1Q |
131,154 |
+1.3% |
18,117 |
-10.7% |
13.81% |
540,000 |
+2.1% |
83,000 |
-0.2% |
|
7/31 |
9719 |
SCSK |
5,563 |
387,003 |
21年3月期1Q |
94,356 |
+3.3% |
10,279 |
+22.2% |
10.89% |
380,000 |
-1.8% |
41,000 |
-3.2% |
7/30 |
2327 |
日鉄ソリューションズ |
2,610 |
274,843 |
21年3月期1Q |
56,644 |
-17.4% |
5,102 |
-26.1% |
9.01% |
255,000 |
-7.2% |
23,900 |
-15.8% |
|
4716 |
16,254 |
211,357 |
20年5月期4Q |
62,470 |
-0.2% |
22,522 |
+13.1% |
36.05% |
来期予想未だ |
|
|
|
|
7/22 |
7518 |
ネットワンシステムズ |
3,522 |
186,189 |
21年3月期1Q |
36,505 |
+2.6% |
2,611 |
+52.8% |
7.15% |
190,000 |
+2.1% |
17,000 |
+3.2% |
7/30 |
4812 |
電通国際情報サ |
1,812 |
100,679 |
20年12月期2Q |
28,656 |
+9.6% |
3,677 |
+39.0% |
12.83% |
105,000 |
+4.3% |
10,500 |
+4.2% |
7/30 |
9682 |
DTS |
1,019 |
94,618 |
21年3月期1Q |
19,970 |
-15.2% |
1,841 |
-22.2% |
9.22% |
95,000 |
+0.4% |
10,700 |
+0.2% |
7/31 |
8096 |
兼松エレクトロニクス |
1,154 |
71,961 |
21年3月期1Q |
10,674 |
+1.7% |
798 |
+9.5% |
7.48% |
今期予想未だ |
|
|
|
7/30 |
9759 |
1,780 |
65,063 |
21年3月期1Q |
16,209 |
+2.8% |
2,380 |
+21.9% |
14.68% |
今期予想未だ |
|
|
|
|
7/30 |
2317 |
システナ |
1,788 |
64,552 |
21年3月期1Q |
14,856 |
-2.6% |
1,765 |
-5.3% |
11.88% |
62,227 |
-3.6% |
7,634 |
-6.5% |
7/28 |
4726 |
SBテクノロジー |
733 |
58,324 |
21年3月期1Q |
14,759 |
+13.8% |
666 |
+22.1% |
4.51% |
62,000 |
+6.3% |
3,600 |
+18.6% |
7/31 |
3630 |
電算システム |
417 |
40,202 |
20年12月期2Q |
10,744 |
+9.7% |
570 |
+26.9% |
5.31% |
46,200 |
+14.9% |
2,500 |
+10.2% |
7/31 |
9739 |
日本システムウエア |
272 |
38,273 |
21年3月期1Q |
7,682 |
-2.7% |
538 |
-21.9% |
7.00% |
38,500 |
+0.6% |
3,500 |
-9.3% |
7/31 |
4761 |
さくらケーシーエス |
97.1 |
23,833 |
21年3月期1Q |
4,776 |
+10.4% |
-63 |
赤縮 |
|
23,000 |
-3.5% |
640 |
-17.7% |
7/31 |
3844 |
コムチュア |
896 |
20,932 |
21年3月期1Q |
4,960 |
+3.1% |
557 |
-9.7% |
11.23% |
21,000 |
+0.3% |
3,045 |
+7.5% |
7/29 |
9691 |
両毛システムズ |
77 |
15,846 |
21年3月期1Q |
3,282 |
+9.2% |
155 |
+110% |
4.72% |
16,000 |
+1.0% |
750 |
-41.0% |
|
6199 |
154 |
11,410 |
20年8月期3Q |
3,546 |
+18.8% |
301 |
+23,9% |
8.49% |
14,000 |
+22.7% |
770 |
+5.9% |
【ピックアップした企業について】
・なるべく主力事業としてシステムインテグレーション・システム開発を行っている企業をピックアップしました。他セグメントとして、ITインフラ構築やセキュリティサービスなどを行っている会社も多いです。
・大手はある程度網羅したつもりですが、中小に関しては適当に数社ピックアップしました。
・ソフトウェア開発の市場規模としては、この他にソフトウェアを販売する会社における自社開発にかかる費用なども考えられます。原価や販管費の一部ということで簡単には追えないかなと。
・IT技術者派遣の上場企業もリストに含めたかったのですが、小さい会社が多いのかパッと見あまり上場していない様子。
・リストから漏れている規模が大きい会社として、日立製作所のITセグメントが挙げられます。業績としては売上462,854 => 430,186(百万)で -7% でした。
【雑感】
・ 直近四半期においては割と売上が伸びている企業が多いです(12/17社が増収)。コロナ対策で営利が低下するものだと予想していましたが、案外大きな影響がみられませんでした(11/17社が増益)。
・21年3月期の通期予想を出してきた企業が多いです。増収減収マチマチで、全体的には前年並みといった感じですね。
・当たり前だとは思いますが、業績予想に関してはどの会社も「コロナによる不透明」を記述しています。あまり並列的に多数の会社の決算を見た経験はないのですが、気持ち弱気に出してくるものでしょうか。
以下個別ピックアップ
【野村総合研究所】
国内にしか興味がないので、海外分の減少を差し引きすると
116,809 => 120,605 (3,796/+3.2%)
中でも野村HD向け売上の伸びが(1,275/+8.6%)と大きいです。
証券と製造・サービス業が大幅増、保険と流通業が大幅減、銀行とその他金融機関業等が微増減といったところですね。
期中のDX関連売上が779億円と前期比+5.7%。
最大7割超がテレワークを実施し、現在も5割の社員がテレワーク中とのこと。
【SCSK】
通信・運輸以外に落ちている業界がありません。
なぜ通信と運輸が一つに纏まっているのか調べてみたところ、日本標準産業分類 第11回改定の前は通信と運輸が一つに纏まっていたのですね。昔の通信といえば郵便だったので運輸と纏まっていたようです。
IT化社会の今だとそぐわないですね。
売上面は好調で、リモートへの移行もピーク時80%超と素晴らしい。
営業利益率も不採算案件の減少や賞与計上の月ズレの影響で9.2%=>10.2%と改善。コロナの影響を感じません。
通期予想は4月28日発表の本決算で出されていて変更なし。少し弱気に出しましたかね。
【日鉄ソリューション】
データセンターやクラウド環境などの、ソフトウェアを動かす基盤となる”ITインフラ”の占める割合が大きい企業ですね。直近四半期でいえば185/566億ということで約33%となります。
通期業績予想は年間198億の減となりますが、既に1Qで134億の減。うちITインフラで83億の減となります。
1Qの説明資料は細かい情報がないので詳細は不明。
全体的に好調ですね。
この資料における受託システム開発を2Q単期で計算すると
19年 7,781 => 20年 7,454 で実はマイナス成長。ただその19年が2Q累計で前年比+28.2%成長しているので悪くはなさそう。
20年1Qの時は「⾦融ソリューションおよびコミュニケーションITセグメントが拡⼤」との概況でしたが、2Qになって「コミュニケーションITおよび ビジネスソリューションセグメントが拡⼤」との概況の変化があり。
この資料の売上は、上の表の中で電通グループ向け売上高が含まれています。報告セグメントの金融ソリューションと、この資料における金融の売上高に少しギャップがありますしイマイチわからず。
4月より全社原則テレワーク勤務へ移行(パートナー含む)ということで、出社比率20%以下を維持しているようです。
【DTS】
DTSはソフトウェアの運用やインフラ基盤といった売上比率25.4%と大きめ。
そしてその領域がグループ会社の決算期変更影響がなくなったことを理由に前年同期比で大きく落ち込んでいます。
純粋にソフトウェア開発で見たらそこまで酷くはないですね。
金融・保険が一括りとなっていますが、やはりコロナの影響で保険はキツイのでしょうか。
決算短信によると、金融社会セグメントにおけるDX関連の案件は前年同期比18%拡大とあります。
増収のほとんどがSBグループ向けで33億=>50億と大幅増。法人/公共向けは46億=>48億。
【電算システム】
情報サービス事業
・各種ギフト処理サービスなどの処理件数は減少を余儀なくされ売上が減少
・SI・ソフト開 発及び商品販売においては、オートオークション業システム、教育関連システム、デジタルサイネージ、また、 高まるリモートワーク需要などによりChromebookやG Suiteなどの案件が大きく伸長
セグメント内における「SI・ソフト開発売上」(2019.12期2Q累計=>2020.12期2Q累計)
7,194 => 9,041 (+25.7%)
決算説明資料が半期毎しか見つからず、2Q単期セグメント内の詳細な売上がわからなかったのですが絶好調ですね。ちなみに電算システムは決算発表と同日に業績を上方修正しています。
【さいごに】
・ここまでやってみましたが、ソフトウェア デバッグアウトソーシング関連に対してクリティカルな内容ではありません。
・受託開発などが変わらなくても、私が監視している銘柄は更にその先の「外注」です。コロナのドタバタにより、また一回り違った壁や難しさがあるかも知れません。