3673 ブロードリーフ
Zeppy井村さんの影響で、株クラの中でSaaSが話題です。
その中でブロードリーフという銘柄が気になったので、精査してみました。
引用元 https://www.buffett-code.com/company/3673/
直近6年間に渡って、売上増加傾向、営業利益も増加傾向にあります。
財務などは盤石。
株価はイマイチパッとしません。今後の成長への期待があまりされていないと考えます。
PERで測ってしまえば、市場からの評価は年々下落気味です・・・。
【業界と立ち位置】
引用元 https://www2.broadleaf.co.jp/recruit/business/index.html
ブロードリーフの主な顧客層となるカーアフターマーケットの市場規模は約10兆円です。
今後は電子取引プラットフォーム(EC)に注力していくようで、そのメインターゲットとなるのは補修部品市場(1兆2600億円)やリサイクル部品市場(2400億円)かと思われます。
引用元 https://www.broadleaf.co.jp/Portals/0/ir/PDF/Investors%20Guide%EF%BC%88May%202020%EF%BC%89.pdf
ブロードリーフは、カーアフターマーケットにおけるソフトウェア会社として、圧倒的な首位の座にいます。
競合に負けるというリスクが低いです。
【成長余地】
成長余地① クラウド化
引用元 https://ssl4.eir-parts.net/doc/3673/ir_material_for_fiscal_ym/70638/00.pdf
ブロードリーフは40年にわたりソフトウェアを提供している会社です。
元はパッケージとしてソフトを売っていましたが、これからはクラウド化、プラットフォームサービスへ進化していきます。
”2020年後半以降、現行の業務ソフトウェアをクラウド版にフルモデルチェンジする計画”とのことです。
パッケージですと導入やバーションアップなどにコストがかかりますし、高額な買切りソフトをリース契約で売っていたようですから、粗利率の改善が見込めると思います。
また、導入に対するコストが小さくなるので、より広い顧客層にリーチするようになります。
(メモ:ブロードリーフは売上原価の中に開発外注費など、一部開発費も含まれているようです。)
成長余地② DX関連
こちらの資料は少し古い資料です。前述した資料の3.75万社/20万社で考えると、シェアは18.75%となります。
残りの会社のうちどの程度が見込み客となりうるかは分かりませんが、クラウド化によりリーチ層が広がることが考えられます。
また、IT導入補助金2020の対象となっているようです。
参照 https://www.broadleaf.co.jp/products/merit/subsidy.html
成長余地③ プラットフォーム化
ブロードリーフは、2018年12月期決算説明資料から、売上区分を「プラットフォーム」と「アプリケーション」の2区分に大分するようになりました。
参照15P https://ssl4.eir-parts.net/doc/3673/ir_material_for_fiscal_ym/61324/00.pdf
2021年目標として、「売上収益 270億円 プラットフォーム売上比率 60%超」を掲げています。
2021年からは電子取引プラットフォームの利用拡大を掲げています。
この部分が、おそらく2019年12月期 決算説明資料の「EDI・決済」にあたる部分かと思います。2019年通期の売上は920百万円です。
【リスク、疑問点】
・コロナによる影響があります。交通量減、新車販売台数大幅落ち込みによる、業界全体への悪影響が見込まれます。
・2019年12月期決算説明資料ではCASEに言及し、整備需要は増えるとしています。この点について素人ながらも若干疑問に思いましたが、保有期間の目処は短期であり、業界の将来性については無視できるものと考えます。
・上記の理由により、「自動車関連」への投資のテンションは低いと考えます。スポットが当たらないかも知れません。
・決算説明でありましたが、中国にてオフショア開発を行っているため、開発が遅れてしまうかも知れないとのことでした。
・2020年後半以降、クラウド版にフルモデルチェンジとありますが、既に一部はクラウドサービスがあります。どのくらいの割合がクラウド版移行するのかが疑問です。
・2019年からクラウド償却費増 -188百万円(通期)が売上原価に乗るようになったので、しばらくは利益圧迫要因になります。
【戦略】
特定の業界に対して専門のソフトウェアになるので、基本的に成長余地に限りがあると考えます。
保有期間の目処としては1〜2年半ほど、または急騰した場合にはExitします。
DX、クラウド化、プラットフォーム、ストック収入増と、ホットなキーワードがいくつも思い浮かぶ企業です。
クラウド化によるストック収入の割合が急増し、市場評価が上向いていく要因になる事を狙います。
割安が是正される事を狙います。比較対象として適切ではありませんが、5月末、東証1部、情報通信業における単純PERの平均は29.8です。
社の説明資料では、他のソフトウェア会社やプラットフォーム会社(PERは34~119倍、PSRは5.6~28.7倍)と比較されていましたが、この辺りはモメンタムも相当乗っている会社だと思うので話半分に・・・。
より多くの企業を調べ、他社比較を精度高く出来るよう頑張ります。