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エンプラデバッグ関連③ 3社のまとめと先読み(SHIFT・デジハ・バルテス)

ソフトウェア開発における景況感を、別記事にて公開しました。

https://kakine162.hatenablog.com/entry/2020/08/02/121914

 

SHIFTに関してもまとめようかと思いましたが、決算説明資料が非常にクオリティ高くまとまっているので割愛します。

 

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS95685/ba36e11f/6f8b/407c/b707/2bf9a72e1571/20200710165715748s.pdf

 

この決算説明資料ですが、意外にもセグメント毎に別れた内容がほとんどありません。

また、エンターテインメント領域に対する言及が皆無です。

shift 3q累計

売上(千円)

昨年比

比率

営利(千円)

昨年比

比率

エンプラ

18,711,866

53.9%

90.31%

3,243,793

11.5%

90.66%

エンタメ

2,007,885

34.4%

9.69%

334,210

7.9%

9.34%

エンプラ領域は売上も営利も構成比率90%ほどとなっています。

また、決算短信や有報ではエンタープライズとエンターテインメント領域でセグメントが別れていますが、実際にもっと比率が別れている点はテスト領域と非テスト領域とも言えます。

 

f:id:kakine162:20200724163307p:plain

テストの会社というイメージが強いのですが、テスト案件の占める割合は65%程度です。(メモ:このスライドは19年8月期の決算説明資料から同様のものがあり、開発案件の売上比率は24.0%→26.9%へ伸びています。つまりエンプラ領域の50%近い成長率より更に伸びています。M&Aも寄与してるかな?)

テスト案件の方が開発案件より売総利益率が高いというのは驚きでした。テストの方が”ロースキル&低単価”というイメージがあります。生産性や付加価値の高さが数字に表れているのかなと思います。

 

SHIFTの成長に関しては一つ減速の要因が考えられて、そろそろエンジニア単価の成長余地が少ないかと思います。今までは単価×人員増×M&Aで指数関数的に成長していたわけですが、既に単体の月単価70万超ということで年840万ペース。日本では開発エンジニアのハイスキル人材でも単価1000万を大きく超えることは難しいので、そろそろ頭打ちなのではと思います。

ただし他にはない強みをたくさん持っている会社なので、この常識を変えてくれるかもしれません笑

 

以上、簡単に流させてもらいまして(もしかしたら記事分割して多少加筆するかも)、3社のエンタープライズ領域におけるテスト事業の成長率のまとめです。

 

売上規模

昨年同期比

SHIFT

208月期3q累計

121.6

+51%程度

デジハ

203月期通期

24

+73%

バルテス

203月期通期

22億程度

+150%程度

SHIFTだけ期がズレていますので、前年3Qまでのエンタープライズ領域の売上に、テスト案件の比率を掛け算して算出しました。8月期なので3Qとなると9月〜5月までの累計です。

デジハはエンタープライズ事業のうちシステムテストだけをピックアップしています。20年3月期4QにはM&A分も上乗せされていまして、それを除いても約+50%程度の成長であったとのこと。

バルテスはお問い合わせしまして、テストのおおよそ半分がエンプラだとお答えいただきました。そろそろ事業領域も大きくなってきたので明細が開示されると良いですね。

 

エンジニアの月単価や非エンジニア比率についても並べたかったのですが、デジハのみエンジニアの人数を公開していないのでわからず。おそらく営業の人数と合わさった数字ではないかと思います。

SHIFTは開示にて発表してます。20年8月期3Qの単体業績で71.3万円。

バルテスが20年3月期を通期で計算したところ66.8万円でした。

デジハがおそらく営業の人数やシステム開発・ネットセキュリティの領域も含めて20年3月期通期を計算したところ57.9万円です。

おそらくそこまで大きな差はないのかなと思います。(個別記事で根拠述べていますが、通期で計算している方が不利のはずです。)

 

こうして3社並べると、エンプラ領域のテスト事業に関しては成長率がかなり高いことが明確です。昨年度に関して言えば、間違いなくブルーオーシャンであったと。

また3社合わせても年間ベースの売上が200億超え程度で、まだまだ成長余地が大きく広がっているはず、となります。

テスト事業は労働集約型ビジネスなので、人手不足による取りこぼし案件があった可能性もあります。バルテスに関しては外注費が急増し採算割れ案件もあったとのことなので、外部リソースを使うことで殆どの案件を受注できたのかもしれません。

 

あとは気になるのがコロナの事情と影響です。

エンタープライズ領域は大手SIerの業績に大きく影響されると考えるため、決算先読みを続けていこうと思っています。

f:id:kakine162:20200724230507p:plain

 引用元 https://webcast.net-ir.ne.jp/47391908/oLsGTJzvoM/slide.pdf

 

証券コード

銘柄名

時価総額

前期売上(百万)

決算スケジュール

売上高

前年同期比

4684

オービック

1,906,344

80,488

7/22

213月期1Q

20,106

+3.6%

4307

野村総合研究所

1,803,176

528,873

7/29

 

 

 

9613

NTTデータ

1,765,747

2,266,808

8/7

 

 

 

4768

大塚商会

1,056,411

886,536

8/7

 

 

 

4739

伊藤忠テクノソリュ

1,003,200

487,018

8/4

 

 

 

3626

TIS

599,160

443,717

8/6

 

 

 

9719

SCSK

559,456

387,003

7/31

 

 

 

8056

日本ユニシス

367,372

311,554

8/6

 

 

 

7518

ネットワンシステムズ

322,500

186,189

7/22

213月期1Q

36,505

+2.6%

2327

日鉄ソリューションズ

283,072

274,843

7/30

 

 

 

4812

電通国際情報サービ

190,332

100,679

7/30

 

 

 

9749

富士ソフト

156,031

231,074

8/13

2012月期2Q

 

 

8096

兼松エレクトロニクス

123,555

71,961

7/31

 

 

 

9682

DTS

117,485

94,618

7/30

 

 

 

3844

コムチュア

87,342

20,932

7/31

 

 

 

上記表は日経電子版の銘柄一覧から、

 システム・ソフトウエア > システムインテグレーター(38件)

の条件にて検索し、時価総額の大きいものから並べた表です。また、CTCの資料も参考にしていたため、抜けていたネットワンシステムズを追加しました。

https://www.nikkei.com/nkd/industry/stocklist/?n_m_code=146&n_s_code=0861

都合の良いことに殆どの企業がデジハ、バルテスの決算前です。

ちなみにデジタルハーツHDの決算は8月11日、バルテスは8月12日となっています。