デバッグ関連② バルテス【4442】
先ずは、前回記事の【業界の概要】をご覧ください。
https://kakine162.hatenablog.com/entry/2020/07/06/235132
今回はバルテスに関してブログを書きます。
【業績の推移】
引用元 https://ssl4.eir-parts.net/doc/4442/yuho_pdf/S100J1RA/00.pdf
有報から4期分引っ張りました。
まだ成長期の会社なので利益は安定してませんね。個人的な意見としてはまだまだ積極的に投資すべき時期だと思います。
バルテスの事業セグメントは以下の3つで、それぞれの売上は以下の通りです。
|
売上(千円) |
前年比 |
セグメント利益 |
前年比 |
売上比率 |
ソフトウェアテストサービス |
4,428,906 |
50.2% |
333,490 |
52.4% |
90.83% |
web/モバイルアプリ開発サービス |
416,717 |
48.1% |
63,192 |
82.1% |
8.55% |
オフショアサービス |
30,241 |
△39.1% |
△9,063 |
ー |
0.62% |
オフショアサービスはロックダウンしているフィリピン子会社によるサービスですが、売上比率は少ないので影響は軽微。日本語の公式ページがあります。
ほとんどがテストや開発であり、つまりは所属エンジニアによる労働集約型のビジネスとなっています。
決算説明資料にエンジニア数が載っていたので、エンジニア一人当たりの月売上高などを計算しようと思います。
引用元 https://ssl4.eir-parts.net/doc/4442/tdnet/1831541/00.pdf
|
17年3月 |
18年3月 |
19年3月 |
20年3月 |
売上(千円) |
2293913 |
2457347 |
3279146 |
4875865 |
経常(千円) |
102761 |
33974 |
187182 |
323046 |
経常利益率 |
4.48% |
1.38% |
5.71% |
6.63% |
エンジニア総数 |
302 |
303 |
441 |
608 |
一人頭(月)(千円) |
632.98 |
675.84 |
619.64 |
668.29 |
非エンジニア総 |
101 |
102 |
118 |
137 |
エンジニア/非エンジ |
2.99 |
2.97 |
3.74 |
4.44 |
20年3月期においては、ここまで一気に人を増やしたにも関わらずエンジニア当たりの売上が伸びている事が驚きです。
一応20年3月期第二四半期の説明資料を確認したところ598人でしたので、ほとんどは上半期のうちに人材を揃える事ができたのですね。そうなると次の1Q決算の説明資料が楽しみになります。
エンジニア数を単価で掛け算し、大体の売上予想がつく業界です。
余談にはなりますが、非エンジニアあたりのエンジニア人数も大幅に改善したのも良いですね。
【成長余地】
成長余地① エンタープライズ領域の成長
エンタープライズ領域がセグメントとしてわかれてないので売上比率が不透明なんですよね。IRに問い合わせたらヒントくれるのでしょうか・・・。
ちなみに2Qと4Qの決算説明資料の数値をピックアップします。
|
総売上高(億円) |
前年同期比 |
エンプラ領域の売上高 |
2Q |
22.9 |
56.7% |
2.3倍! |
4Q |
48.7 |
48.7% |
2.5倍! |
20年3月期で言えば1Qの売上高が低く、他の期が高いです。期初での一括採用な印象を受けます。
バルテスの研修は未経験者2ヶ月、経験者の中途採用で1ヶ月のようです。
20年3月期1Q決算によれば、「人員不足によ る外注費の増加や採用・教育といった人材関連の投資が先行し」赤字とのことです。
赤字ということで念のため株価をチェックしときました。GUです。
②成長余地② テスト自動化の新サービス
PR TIMESにて詳細が載っています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000030691.html
テスト工程「全体の約6割を削減」としていますね・・・。
実際は要件把握、仕様把握、レビューなどにも工数は取られます。モノにもよりますが全工程の約60%となると少し疑問に思うところはあります。
自動化エンジニアが介在しなくと自動化スプリクトが作成される事はかなり強みであると思います。より幅広い人材が、自動でテストできちゃうわけです。
【リスク・疑問点】
①エンタープライズ領域における売上比率がわかりません。
②デジハHDと同じですが、コロナの影響を大きく受ける第一四半期にはリスクがあります。
③そもそもテストアウトソーシングの市場自体が伸びることを前提としています。また参入障壁にも不安があります。
【戦略・狙い目】
時価総額が小さい&売上高成長率が高いので、数年後の爆上げを期待して少量を長期で持ちます。
余談ですが、採用ページめっちゃかっこいい
https://www.valtes.co.jp/recruit/
ソフトウェア品質向上プラットフォーム「Qbook(キューブック)」を運営したり、技術書を出版するなど、技術へのこだわりを感じる会社さんです。